Apr 06, 2010

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 東京ガスとパナソニックは、“世界最高”の発電効率を謳う家庭用燃料電池「エネファーム」を共同で開発したと発表した。パナソニックが製造し、東京ガスが4月1日より販売する。希望小売価格は2,761,500円(工事費別)。

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 エネファームは、都市ガスから取り出した水素を、空気中の酸素と化学反応させて発電する家庭向け発電装置で、発電した電気は家庭内で使用でき、また発電時に出る熱を給湯にも利用できる点が特徴。従来の火力発電やガス給湯よりもエネルギー効率が高く、家庭に導入することで年間の光熱費を約5〜6万円節約、年間のCO2排出量を約1.5t削減できるという。一般向けには、2009年より第一弾のエネファームが展開されており、今回が“第2世代”となる。

■ 第2世代のエネファームは、発電効率や価格、設置性など全体的に改良

 今回開発されたエネファームは、従来モデルよりも、発電効率が向上した点が特徴。従来モデルでは、定格発電効率は37%以上(LHV※)だったが、新製品では発電装置「スタック」の効率を向上することで、40%(LHV)にアップした。両社ではこの数値を“世界最高”の発電効率としている。

※低位発熱量基準(Lower Heating Value)の略で、燃料が発熱した際の発熱量を表わす基準のひとつ。ガスを完全に燃焼したときの発熱量から、水蒸気の蒸発潜熱を差し引いた値を表わす

 また、スタックの改良に合わせて、都市ガスから水素をつくる「燃料処理器」の耐久性を向上し、発電時間は従来の4万時間から、5万時間となった。発電回数は4千回で、従来と同じ。

 さらに、低価格化を図るため、内部の部品数を削減。従来はスタックの固定にボルトを使っていたが、新製品ではボルトを省いた「バンド締結」を採用するなどで、部品数を従来より30%削減した。加えて、発電出力を従来の最大1,000Wから、最大750Wへと抑えた。これにより、希望小売価格は現行品よりも約70万円低価格になった。東京ガスによると実売価格では、補助金なども含めると、従来品からの値引き額は「100万円台前半」になるという。

 なお、発電出力の下限は、従来の300Wから250Wに引き下げられている。両者ではこの点について、昨今の省エネ家電の普及による待機電力の減少傾向を踏まえ、電力負荷の少ない家庭でも使えるとしている。

 設置スペースも小さくなった。従来では、発電する装置「燃料電池ユニット」と、お湯を貯める「貯湯ユニット」の2つの装置を別々に並べて設置していたが、本製品では燃料電池ユニットを、貯湯ユニットの縦型に合わせた形状へ変更し、両者を一体で設置できるようにした。これにより、設置面積は従来の3.9平方mから2平方mと、約半分になった。より少ないスペースで設置できるため、スペースに制約の多い首都圏の戸建住宅でも導入しやすいという。燃料電池ユニットと貯湯ユニットは、分離しての設置にも対応する。

 このほか、台所設置用のリモコンも改良。従来比で約76%大きい液晶画面を採用し、発電実績やCO2削減効果が見やすくなったという。光熱費やガス・電気使用量の目標設定も可能で、使用量が目標より抑えられた場合には、わかりやすく笑顔のアイコンが表示される。

 本体サイズは、燃料電池ユニットが315×480×1,883mm(幅×奥行き×高さ)で、貯湯ユニットが750×480×1,883mm(同)。燃料電池ユニットの重量は、従来よりも25kg軽い100kg。発電出力は250W〜750W。貯湯タンク容量は200L。メンテナンスサポートは10年間。

 なおパナソニックは、東京ガス以外の大手都市ガス会社にも、第2世代のエネファームを提供する。北海道ガスからは、寒冷地仕様のエネファームも発売される予定となっている。

■ エネファームの普及には“ユーザー負担額100万円以下”が重要

 発表会には、東京ガスの執行役員 燃料電池事業推進部 小林裕昭部長が、パナソニックのホームアプライアンス社 燃料電池プロジェクト 技術グループ 岩佐隆司グループマネージャーが、それぞれ登壇。第2世代のエネファームについては、パナソニックが年間6千台の生産体制を構築し、東京ガスが5千台の販売を目指すという。いずれも、2010年度見通しの2倍の数字となっている。

 ところで、業界ではエネファームの普及目標として、2015年に75万台、2030年に250万台を販売するという数字を出している。しかし、岩佐氏は「正直に言って、その段階で達成できるかはお答えできない。かなりハードルが高い。まずは一歩ずつ普及を進めたいので、東京ガスとしては、2年くらいの間に年間1万台を販売する。結果、2015年にはうまく伸びていってほしい」と、販売数を堅実に伸ばしていく方針を明らかにした。

 小林部長はまた、販売数を伸ばすためには、ユーザーが支払う金額を100万円以下に抑える必要がある点も指摘した。

 「お客様が実際に支払っていただく額を、数年以内に100万円を切るレベルにもっていきたい。1万台を売るには、そのレベルにしなければ難しいだろうと考えている」(小林部長)

 また、パナソニックの岩佐グループマネージャーは、「まずは普及を拡大していくのが基本スタンスだが、我々メーカーとしては、普及価格をいち早く実現することが重要と思っている。そのためには、燃料処理機やスタックなど、技術部分の低コスト化はもちろんだが、数が出るというのがコストダウンのポイントとなる。家庭用だけではなく、自動車などいろいろな用途に燃料電池が普及していくことが重要なファクター」と、コストダウンには燃料電池自体の普及が鍵になると語った。

 なお現在、エネファームを購入することで、政府より補助金が支給されるが、小林部長は「いただけるにこしたことはないが、それでは事業としていつまでたっても独り立ちできない。2015年、16年には、補助金がなくてもやっていくレベルにもっていきたい」と意欲を見せた。


【家電 Watch,正藤 慶一】


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